日に日に秋が深まるのを感じる今日この頃。
仕事に熱中しているとあっという間に郵便局が閉まる時間。
大変!お金おろしておかないと!!と慌てて、閉店間際に滑り込む気満々で外に飛び出す。
秋の夕暮れ、午後4時44分。
ゾロ目が好きな私はなんとなくいい気分になり、玄関を出たとたん、飛び込んできたキンモクセイの香り。
ああ、もうそんな時期なんだ~と、秋独特の何とも言えない感情を味わいながらお気に入りの川べりを歩くことにした。
小川の平坦な流れの中で、カモが数羽戯れている。
家族かな?などと想像し眺め頬も緩む。
水の流れる音、緩やかな、ささやくような音に癒されながら先に進むと、川の中にちょっとした段差?あり。階段状になったその段差では、水の音がひときわ激しくなる。
佇みながら、
うーん、川も何もない場所では、音もなく穏やかに流れるけれど、岩や段差、曲がり角などでは水しぶきも水音も激しく立てて流れていく、、、
なんか、人生みたい。
人生も、岩にぶつかったり、段差があったり、曲がり角では、感情に大きな音が立っても自然なことなんだろうなあ、と思ったり。
しみじみとしながら歩いていると、緩やかなカーブを曲がった目の前に夕日が広がった!
わあ、キレイだなあ、目の保養~、と思ったのもつかの間、反対側の中学のイチョウ並木から銀杏のニオイが漂ってきた。
おお!この強烈なニオイ、しまった~、と
ちょっと嗅覚の栓を占めるように息を止めその場を過ぎ去る。
もうそんな季節ですねえ。
そして、子どもたちの部活動の声が耳に入ってくる。
銀杏のニオイと中学生の部活動の声、王道だね、なんてよくわからないことを感じながら、さらに郵便局に向かって進みます。
時間ぎりぎりに飛び出した割に、道草が多い自分を自虐的に笑いながら、だんだん足どりが軽くなる。こころが五感を感じる体験に触れて、ぐんぐん軽やかになっていく感じ。
いいぞ~、この感じ。
こころも体も軽やかになって、ついつい階段一つ飛ばしで駆け上がる。
思えば、時間に追われ、辛いことに日々耐えながら過ごしていた頃には、とても持てなかった、こんな時間。何を得たわけじゃないけれど、「今、ここ」を味わえているこの感覚が幸せだなあ、と感じられることが、人生のしあわせな「いっとき」を得られてるんじゃなかろうか…と思える。
そんなこんなで郵便局に到着。閉店5分前の滑り込み~、と思ったらATMの入り口に17時に締まると思っていたものが、平日は17時半に締まると書いてあった。なあんだ、思い違いしてた(笑)
まあ、逆の思い違い(17時半閉店と思い込み、17時に閉まってた。。。)じゃなくてよかったから、万事OK。
さて、帰りは別のルートから帰ろう、と階段ではなく下り坂の道へ。
坂を下って川に沿った平面一本道は人通りが全くなくて、ついつい立ち止まり腕を伸ばしてストレッチ。
今度開催する美ボディ♪フラメンコの講座に向けて、ウォーミングアップです^^
調子に乗って、クルクル回転の練習なんぞをしているところに学校帰りの中学生が向こうの方からやってきたのが視界に入り、恥ずかしさのあまり目をそらしながらすれ違う(笑)
行きに通らなかった川べりを歩くと、オシロイバナ発見!(*^▽^*)
いや、どや顔でいうほど珍しくはないかもしれないけれど、なんだか子どもの頃を思い出し、懐かしい気持ちに包まれた。落下傘作って遊んだな~、種の殻を破って白い粉だけ集めてチョーク代わりにしてコンクリートに絵を描いたっけ。。。
ふと気が付くと、生い茂って道にはみ出してきた草々が、道の半分を占めていることに気が付いた。
うーん、本来の道幅がこれだけ占領されていると、歩ける幅が半分だなあ。人ふたりがすれ違うのも困難になってる。この草が無かったら悠々すれ違えるのに。。。
人の心もこんな状態ってあるなあ。
知らず知らずに生い茂った草(想念や心の汚れ、愚痴や不満など)によって、流れが半分になっちゃってる。
だから、良いものも半分しか入っていかない、そんな感じ?
自分が元気で健やかでいるためには、心の雑草を常に取り払っていく必要があるんだなあ。
そして、家にたどり着くと花壇の芝桜が4輪だけ咲いているのを発見。
春に一斉に咲く芝桜。でもうちの芝桜は、時々秋冬にも1~2輪咲くのです。
今年は10月で結構早めだな~と思いながら、この季節外れに意表をついてこっそり咲く芝桜をこよなく愛しているので、とっても心が温かくなりました。
そうだそうだ!
季節外れであろうとも、
みんなと違う性質をもっていようとも、
みんなと違うセオリーで咲こうとも、
誰とも違う時期に咲こうとも、
その芝桜は、とってもきれい。
それでいいのだ!!
それが、いいのだ!
そんな想いになぜか胸いっぱいになりながら、またまた裏のキンモクセイの匂いに誘われて、木の前に立つ。そしてジッと眺め、
「お!あなた、まだツボミなのにこんなに良い香りを漂わせてくれるんだね。あなたが咲くのを楽しみにしているね。」と話しかけながら、帰宅したのでした。
ただ郵便局に行く1時間にも満たない外出でしたが、とても幸せに満たされた時間。
五感でフルに感じた世界は、とても愛しい日常だった。
人生には、こういうことに気付けないほど荒れ狂ったお天気の日もあるかもしれないけれど、五感が研ぎ澄まされて送れる日常に大きな喜びを感じた一日でした。
たわいもない、私の日常にお付き合いいただき、最後までお読みくださりありがとうございました^^
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